相続税とは、人が亡くなったときにその所有していた財産を相続する際に課される税金のことです。いざ相続になったとき、心配な点の一つは相続税でしょう。平成27年に相続税制度の改正があり、今までよりも多くの人が相続税を支払わなければならない可能性がでてきました。ここでは、財産の価値がいくらあれば相続税がかかるのかなど、相続税の基本について解説します。
相続税の基礎控除
相続税には、誰でも無条件で受けられる「基礎控除」があります。基礎控除の金額までの財産を相続する場合は相続税がかかりません。この基礎控除の金額は、法定相続人の数で変わります。具体的には、以下の計算式にあてはめて求めます。【計算式】
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば配偶者1人と子供2人の場合、基礎控除の額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円となります。持ち家の土地や建物の評価額が3,000万円、他に有価証券や預貯金などの財産が2,000万円ある場合は財産が5,000万円となり、相続税の申告や納税の対象となってきます。一般的なサラリーマン家庭でも、相続税を支払うケースは増えています。自分の持っている財産がどれぐらいの価値があるかは、把握しておくようにしましょう。
相続税の申告
亡くなった方が、上記の計算式で計算した基礎控除以上の財産を持っている場合、相続税の申告や納税の対象となってきます。基礎控除より少ない財産の場合は申告する必要はありません。相続税の申告や納付は、亡くなった日(相続開始の日)の翌日から10か月以内に行う必要があるので注意が必要です。相続税の計算の大まかな流れ
ここでは相続税の計算の大まかな流れを見ていきましょう。@基礎控除額を求める
まずは、相続税の申告をする必要があるかどうかの判定も含めて、基礎控除額を計算します。
A財産を評価する
次に、被相続人の財産がいくらの価値があるのか評価します。現金や預金などは、その残高が価値になりますが、不動産や有価証券などは、財産の価値を計算して求める必要があります。小規模宅地等の特例といった納税者に有利になる特例もありますので、確認しておきましょう。
B税額を計算する
基礎控除額より評価した財産の価値が高い場合は、相続税の申告や納税の対象となってきます。葬式費用や借入金などは、財産の価値から差し引くことができます。イメージとしては、財産の価値から基礎控除額を差し引き、そこから葬式費用や借入金などをさらに差し引きし、残りの金額に相続税の税率をかけて税額を求めるといった要領です。
※実際はもう少し計算の仕組みが複雑です。
より具体的な相続税のシュミレーションとなると税理士等に相談する必要がありますが、大事なのは、相続が発生したときに相続税の対象になるのかどうかを、早めに確認しておくことです。そうすることで対策も早めにとることができます。そのためには、まず相続税の仕組みを知り、大まかでも基礎控除額や財産の価値を把握しておいた方が良いでしょう。